家づくり

掃き出し窓は使っちゃダメ!?

この記事で分かる事

・掃き出し窓が多用される理由

・掃き出し窓を使用してはならない理由

・掃き出し窓の正しい利用方法

マネホシ

南面から太陽光を取り入れるために掃き出し窓を設置、               という計画は建築業界の定石だよ。                                でも意外な落とし穴があるから、今日はそれらについて記載をするよ。

掃き出し窓が多用される理由

掃き出し窓とは?

掃き出し窓とは『窓が床から始まり、高さが2m程の窓』の事を指しまして、                      ガラス面が大きく、かつ窓を開けた際には人が通る事が出来るという特徴があります。

どの様に使用される?

リビングの南面に採光目的として設けたり、                       庭やウッドデッキへの出入り口として設ける事が多いです。

なお仮に同じガラス面積の数種類の窓の費用を比べた場合、                        掃き出し窓は安価な部類になります。

掃き出し窓が多用される理由

・ガラスの面積が大きいので日照を取り入れやすい

・人が出入りする事が出来る

・大きな窓の中では比較的安価

マネホシ

何も考えずに『日照確保のために南面には掃き出し窓を設置』       というのは設計士としては楽だけどね。

掃き出し窓を使用してはならない理由

家の中が丸見えで、一日中カーテンが閉まった家になる

掃き出し窓の先に道路や隣家がある場合、外部からの目線が入ってきてしまいます

レースを設けて視線を防ぐ事は可能ですが、外部からの日照は減少してしまいますし、            窓を開けた場合は風でレースが開いてしまい、視線遮断は出来ません。

マネホシ

夏は掃き出し窓を開いて風を取り入れたい、                という人は多いんじゃないかな。

街を歩いていると昼間でもカーテンやシャッターが閉まったままの家を多々見かけます。

防犯や災害対策が必要

ガラスの面積が多いため、外部からの侵入経路になり易く、また台風時には飛来物でガラスが割れる可能性が高まります。防犯ガラスやシャッターを設ける事で対策にはなりますが、いずれにしても追加の費用が発生します。

特にシャッターの場合は開閉が面倒ですので電動式を選択される方が多いのですが、      一カ所で10万程の費用が発生しますし、シャッターを収納するボックスを外壁に設ける必要がありますので、外観の美観を損ねます

収納空間が減る

床まで窓があるという事は壁が無いという事になり、                                                  壁が無いという事は収納等を置く事が出来ないという事です。

マネホシ

腰の高さまでのおしゃれなキャビネットを置いて、雑多な物を仕舞いつつ、キャビネット上に小物を飾る、という事は出来ないね。

外観がカッコ悪い

外観の良し悪しは個人の完成ですので一概には言えませんが、                        私は街中で見る掃き出し窓が横に2個並んでいるという外観には疑問を感じてしまいます

マネホシ

個人的には右の方が好みだね。                     (絵の良し悪しは触れないでね…)                                日照が入らないじゃないか!?という意見についてはこれから記載するよ。

掃き出し窓の正しい利用方法

美観に対する対策

どうしても庭への出入りが必要な場合は掃き出し窓を東西面に設けるプランにする、      またはテラスドアを設けるという方法があります。                      テラスドアとはガラスのドアの事を指しまして、日照と採光を取り入れつつ、見た目を損ないません。小窓と窓の幅が近いので、2階の窓と上下でサイズを合わせやすいです。

日照に対する対策

お客様から小さい窓では暗い家になるのでは…?という質問を頂く事もあるのですが、    その際には吹抜けを設けて吹き抜けの窓から日照を確保しましょうと答えています。

そもそも日照は高い位置から入りますので、1階よりも2階の方が多く日照を確保できます。   そして吹き抜けの窓でしたら外部の視線は入りません

吹き抜けがあると家が寒い、という話については別の機会に記載します。

マネホシ

断熱性能が高い家であれば吹き抜けの影響は無く、むしろリビングのエアコンが吹き抜けを通して2階も暖める、という事も可能だよ。                    僕は2階のスペースを削ってでも吹き抜けの設置はお勧めしているよ。

最もお勧めの対策

色々と記載をしましたが、最もお勧めの方法は中庭を設ける、です。                       参考の間取りを記載します。

リビングの横に大きな窓を設け、その窓の先の庭の一部を目隠しの壁で囲う事で、            中庭を生み出しました。中庭は南側の庭にも繋がっています。                  目隠しの壁の高さは約3m程ですので、外部からの日照を取り入れつつ、外部の視線を遮断します。

マネホシ

家の中はもちろん中庭も見えないから、                           パジャマ姿で中庭で朝食という事も出来るね。                       他にもこういった計画も出来るよ。

建物の形状をコの字にする事で、南側道路から中庭への視線を遮っています。                 先程の案と違って目隠し壁の費用が不要です。

まとめ

・掃き出し窓は外部視線が入る、防犯性能に劣るなどの懸念点がある

・出入りのためにはテラスドア、                                            日照確保のためには2階吹抜への窓設置がお勧め

・掃き出し窓を設ける場合は中庭を設ける事がお勧め

いかがでしたでしょうか。                                                 もし現在、間取り作成をしている方は掃き出し窓の位置について深く考え、          不安点があれば設計士に相談をしてみてください。

この度の記事が少しでも皆様のお役に立てますと幸いです。                    本日もありがとう御座いました!

ABOUT ME
マネホシ
ハウスメーカで営業設計士として120棟以上の家づくりを設計し、2ヵ月で2億以上の売り上げ達成の経験あり。その後、最年少で内部監査業務に従事し会社の仕組みを学ぶ中で設計事務所から誘いを頂き、より拘った家づくりを行いたく移籍。30代、妻と娘の3人家族。